新・午前10時の映画館 炎のランナー
この映画は高校生の時に見て、内容もよかったのですが、ファッションが素敵だったのと音楽も印象的で、何回も映画館に足を運んだ思い出のある作品^^
映画の冒頭とラストに使われるこの走るシーンとともにかかるヴァンゲリスのテーマ音楽は、聞いたことがある人も多いと思います。
この曲を聞くと否応無しにこの映画を思い出してしまい、感動がよみがえります^^
ちょうど冬季オリンピックが終わったところだったので、オリンピック繋がり…ってことでもちょうどいいタイミングでした。
1924年パリオリンピックに出場したイギリス陸上選手団の物語で、実在した2人のランナー、走ることによって栄光を勝ち取り真のイギリス人になろうとするユダヤ人のハロルド・エイブラハムズ(ベン・クロス)と、神のために走るスコットランド人宣教師エリック・リデル(イアン・チャールソン)をメインに描いた作品です。
ハロルド・エイブラハムズは学業優秀で傲慢。
ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジの名物「カレッジ・ダッシュ」を700年ぶりに成功させるのですが、このとき一緒に走るのは、後々まで一緒に走ることになるリンジー卿(ナイジェル・ヘイヴァース)です。
この時の彼の登場の仕方が凄いんですよねー。
シャンパン片手にたばこを吸いながら登場して、一緒に走るって言うんですよ!!
カッコ良過ぎ〜♡
彼は貴族なので、練習も優雅そのもの!! ハードルにシャンパンを置いて練習しています!!
そうそう、この時代って芝の上は裸足で歩くものなのかな??
このお庭のシーン、彼は裸足で歩いているんですよねー。
そういえば、冒頭の走るシーンも裸足で走ってたっけ…。
スコットランドのエリック・リデルは宣教師であり、走ることは布教の一環。
独特のフォームで走る姿は、内側から溢れ出るものが見ているものにも伝わってきます。
自分自身を超えて動物のように走る彼の凄さは誰もが認めていて、メダルの期待も高いのですが、100m予選が安息日である日曜日にあることから、なんと出場を辞退します。
そんなリデルに皇太子やオリンピック協会長がじきじきに説得しますが、最後まで信念を曲げずに貫き通すんですよねー。
エイブラハムズは、ユダヤの血をひいているため、潜在的な差別と偏見を受けており、その鬱憤をぶつけるように陸上競技にのめりこんでいきます。
ある日、エイブラハムズは学長に呼ばれ、勝つために非英国系かつプロコーチのサム・ムサビーニ(イアン・ホルム)を雇っていることが、ケンブリッジの精神にそぐわないと言われます。
が、彼もまた信念を曲げずに反論をして退出します。
この二人を見ているとプリンシプルを持っている人の強さを感じ、ちょっと考えさせられます。
オリンピックの競技会場に入れずに一人部屋で気をもむマサビーニコーチ。
イタリア人でアラブ系でもある彼が、エイブラハムズに託す想いが胸にせまるものがあります。
特に、エイブラハムズの100mの結果を、英国国歌吹奏とともに最も高い所に掲げられたユニオンジャックをホテルから見て知るのですが、このシーンは何度見てもぐっときます。
ライバルとして登場するアメリカ選手団もアメリカらしくていいんです^^
自由を体現したような感じ(とてもアメリカっぽく)で描かれているので、対比として面白い!!
そんなアメリカチームにも勝ち、無事に100mで金メダルをとったエイブラハムズ。
だけど、金メダルを取ってもエイブラハムズの心は晴れず…ってところが、日本人にはちょっとわかりにくいかな??
リンジー卿のはからいで400mに出場することとなったリデルは、見事金メダルに輝くのですが、神のために走る彼はエイブラハムズとは違って、満たされているようでした。
名誉を越えた大きなもののために走っている彼の姿は神々しくて、大好きなシーンの一つです。
この映画の中に日本の描写がいくつかあったのも興味深かったです。
一つは、エイブラハムズが一目惚れする女優のシビル・ゴードン(アリス・クリーグ)が出演していた舞台の演目が、日本を題材にしていたものっぽかった。
二つ目は、オリンピックの入場行進場面に日本代表のチームが日の丸を掲げて登場していました。
日本人ってすごく背が低いイメージなんでしょうねー すごく凸凹でした^^
イギリスの風景とこの時代の雰囲気をたっぷり楽しめる映画で、そんなところも好きだったんだよなーと高校生の頃を思い出しました^^;
この新・午前10時の映画祭、来期も継続するみたいで、懐かしい大好きな映画が新たに選ばれているので、また見に行きたいと思いまーす^^